インプットはプリント?/ 日本人がしているフォニックスの誤解

公開日:  最終更新日:2018/05/24

今回は日本人がしがちな英語のインプットとフォニックスの誤解についてみていきたいと思います。

英語の単語と読書、テレビとフォニックス

まず、英語学習方法の特徴をマップにしてみました。

英語のインプットの学習方法の特徴 フォニックス、単語、英語のテレビ・動画、読書

矢印は学習順序の目安です。単語、読書、フォニックスだけではなく、口語と読み書き、全体と部分のバランスと順序を意識して学習していくのがポイントです。

(※広義のフォニックスは単語暗記と音読、読書が一体化した概念に近いでしょう。)

英語のインプット=単語暗記と思っていませんか

英語のインプットと言えばまずはボキャブラリー、単語の暗記だと思っている方が多いかもしれません。

とりあえずプリントや単語アプリで語彙力を増やしたりしますね。でも、単語だけ、文字だけの情報は言語全体からみると断片的なものです。

日本語の学習と比較してみてみましょう。

音の英語 → 文字の英語

日本でも会話がほぼできる6歳になってから、学校に入学して国語を勉強します。

幼児までに音で覚えた日本語の知識を元に、学校の国語の授業で文字の日本語も学び理解を深くしていきます。

単語を覚えるだけでは、文章でもヒアリングでもナチュラルな英語を理解するのが難しいのは容易に想像できるところです。もちろん 語彙を増やすのはとても大切です。

しかし、その前の音のインプットが重要なのです。

これについてフォニックスからみていきましょう。フォニックスはアメリカ発で日本でもメジャーですが、日本人が見落としているポイントがあります。

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フォニックスは読み書きの指導法

フォニックスはスペルの発音を学んだり、音読をしたりする指導方法です。

フォニックスだけが一人歩きして、文字から発音ができる、”文字から英語を学ぶ方法(文字→音)”のように誤解されがちですが、基本的には小学校入学までに既に英語が話せる子に読み書きを教えるための方法です。

つまり、頭の中に既にある音のアッポーan appleに繋いで、本を読めるようにするもの(音→文字)の方法なのです。先ほどの水と氷だと、「水がたくさんある子どもに、氷を入れる」ものです。

フォニックスは外国語として英語を学ぶ人にも応用されてきましたが、元は学校入学までに口語を十分に入れ、英語を話したり聞いたりできる子のための読み書きの勉強です。

①が既にできている子に、点線で進むのは難しいので、②、③と順を追って教えるかという指導法です。

アメリカの学校ではまずフォニックスだからと、①の口語がないのに、日本人がフォニックスや単語などに執着するのは得策ではありません。

参照
フォニックス wiki

フォニックスとホールランゲージ理論,LEA

また、フォニックスはもちろん読み書きの学習に有益ではありますが、単語に分解して、アルファベットからその単語の発音を覚えても、それで発音できる単語は7割に過ぎないと言われています。文字 → 口語の順番だと補いきれないのです。

そしてフォニックスが単語やアルファベットなど言語の部分に注目することを批判する理論があります。

部分に注目し過ぎないようにするwhole language (ホール ランゲージ 全体としての言語)という理論や学習者が文章を作っていくLanguage Experience Approach(ランゲージ エクスペリエンス アプローチ LEA)というものです。

最近ではアメリカではフォニックスだけに拘らず、このような他の理論も含めてバランスよく読み書きを教えるようになっているようです。

参照
英語のホール・ランゲージのアプローチとは
Language Experience Approach
学習者の体験に基づいた作文・読解の教室活動

言葉は口語と文字をバランスよく順序よく

日本人が英語を学ぶ時に大切なのはwritten language 文字になった言語だけでなく、Spoken language 口語のインプットをきちんと入れることです。

フォニックスなどはあくまでliteracy 読み書きの言語指導法です。

では、実際にどれくらいの量の口語のインプットが必要かという点についてみてみましょう。

英語の口語をインプットする

ラジオなどで活躍されているレイチェル チャンさんが英語が得意になる勉強方法についてラジオとブログでわかりやすく話されていましたのでご紹介します。

【英語の勉強方法】

英語のYouTubeなどを

2,000時間みる

聴き流すのではなく、好きな番組というのが鍵

引用抄
学生さんから頂いた英語勉強法に関する質問① Rachael Chan’s diary

口語をインプットする

レイチェルさんが英語をコップから溢れる水に例えて、2,000時間というコップの大きさで英語をインプットを説明されています。好きな動画などを見るというのは、口語のインプットということですね。

もちろん音だけでなく意味が分かるように、好きな動画を見るという視覚的な補助も重要になります。

 

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大学生以上は英語の動画をとりあえず1,000時間

外国語の習得には2,000時間というのは通説としてよく見聞きする時間数です。

ただ、中高などで英語を学習した人は1,000時間程度もひとつの目安ではないかと考えています。

個人的な意見で学説として確立しているわけではありませんが、中高での授業などの英語学習時間がしっかりしていれば、高校生や大学生以上の大人は1,000時間程度で一山超える人が多いという心証です。

1,000時間、2,000時間は簡単

1日1時間なら3年で1,000時間、6年で2,000時間です。移動時間や細切れ時間、土日などを入れると意外と簡単です。

もちろん、動画に含まれる英語量やそこから吸収する英語量に個人差があるとは思いますが、とりあえず、子どもは2,000時間、高校生以上は1,000時間を目指して1日1時間平均の英語のテレビを始めてはいかがでしょうか。

好きなテレビから効果的に英語を学ぶのが欧米で主流

好きな動画をみるのは、興味がある分だけ能動的に会話の中身を理解しやすくなります。テレビで外国語を学ぶのは欧米で進んでいます。外国語のテレビ番組を吹き替えではなく字幕(または字幕なし)で見るのは、十分な口語のインプットをしやすく合理的でしょう。

外国語の習得率と外国語のテレビを好む割合の調査があるので参考にしてみてください。

日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由

日本の英語学習産業

英会話や塾、教材など英語産業の宣伝は多く、情報が氾濫していますが、世界の例をみても英語はお金をかけなくても習得できます。テレビやYouTubeは娯楽で、言葉の学習にならないというイメージもあるのかもしれませんが、テレビを観る学習方法は欧米では常識です。

宣伝に囲まれていると必要な情報を見失いやすいかもしれません。でも、英会話や英語の塾、プリントの前に口語のインプットは十分しているか確認してみましょう。

日本語や英語の字幕

YouTubeや輸入DVDなどは通常、字幕がありません。字幕がないと最初はあまり意味がよくわかりませんが、好きなアニメや番組、YouTubeを何度か見ていると次第に理解できるようになっていきます。

そもそも英語で、字幕なしでも楽しく観れるものを選ぶのが重要ですが、どうしても字幕が欲しい場合は最初から英語の字幕が付いているDVDも動画もあります。

日本Amazonで探す 1,500円以下の英語の字幕付き子どもDVD
高評価が付いた国内版DVD

種類豊富な輸入版DVD

英語の勉強法まとめ

気付くと子どもに単語だけ教えていたり、プリントや単語ばかりになっていたりするかもしれません。

いろいろな勉強法が確かにありますが、大切なのは口語と文字、部分と全体のバランスと順番です。英語の習得にはまず「全体、口語」としてのナチュラルな英語を動画やテレビなどでしっかりインプットできるといいですね。

紹介したレイチェルさんの勉強法の記事
学生さんから頂いた英語勉強法に関する質問① Rachael Chan’s diary

英語の習得についての記事を合わせてみる
日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由

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