バイリンガルと学力、教育の一貫性、そしてセミリンガルの話

公開日:  最終更新日:2018/06/21

《バイリンガルに育てたい?》

バイリンガル、ちょっと憧れますよね。できるなら子供をバイリンガルにしたいですか?

子どもの英語を始める時に、目標はどこにするか考えてみましょう。

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《駐在員に勧められていない現地校》

海外駐在に行く前に一部の会社では子女教育についてセミナーなど一定の説明があります。そこで子どもの教育について、安易に現地校を選ばないように、日本語の学校を勧める方針のレクチャーがあります。

イギリス、アメリカなど英語圏の場合、英語と日本語のバイリンガルになるチャンスです。留学なしで現地の学校に行けるチャンスなのに、なぜでしょう。

駐在は期間が長い人から短い人までいて、1,2年の短期の人もいますが、一回3から5年が多く、累積では10年以上になる人もいます。

そんなに長く海外にいれるのにバイリンガル教育が難しいってどういうこと?と思いますよね。現地の学校に入れて、英語で教育を受けていたらもちろん英語は得意になります

でも帰国後はどうでしょう?

 

《帰国後の教育が問題になる》

もし、そのまま英語で教育を続けるには、インターナショナルスクールなど高額な学校を選択しなければなりません。その学費は幼稚園で年間150万円〜200万円、小中高で年間200万円〜250万円と言われています。

そしてさらに大学まで英語のまま教育を続けようとすると高額な海外留学も視野になってきます。アメリカだと相場が年間300〜400万円です。海外留学だと寮生活になったり、長期休暇の度に帰国したりと学費以外も高額になりがちです。

赤ちゃんのうちなら問題なかったとしても、インターの幼稚園、小学生、中高、大学となっていくに従い、その学費は高額になるため、途中で日本語の学校に変更するケースも出てきます。

子どもが0歳時点で親の収入が十分あっても20年後も余裕があるかはわかりません。また、日本の大学受験の資格や外国の大学の入学資格の問題も絡んできます。

 

《教育言語の一貫性と学力》

英語から日本語、日本語から英語などに、途中で教育言語が変わると子どもにもちろんストレスがかかります。それだけでなく、学力が落ちると言われています。

長く外国で生活する駐在員の子女ですら、教育言語の一貫性を保つのが難しく、学力が落ちてしまうケースが多かったため、駐在員への子女教育は日本語としたほうがよいと事前にレクチャーがあったりするのです。

もちろん、イギリスなど英語圏では現地校は人気です。キャンセル待ちで入れたりします。公立なら学費も無料で、英語の学校に行けるので、人気なのも無理はないことです。

それで、通常は現地校に通う子で帰国予定がある子は、土曜日などに日本語の学校での学習を補習校でまとめて習い、日本語の学校の分のたくさんの宿題もこなして両立をかなり頑張っています。日本語の本も少ないのでみんながんばって入手しています。

 

《セミリンガルのリスク》

2ヶ国語話せても、どちらの言葉も母語並みではないという、セミリンガル、ダブルリミテッドという言葉をご存知でしょうか。

2ヶ国語に堪能なバイリンガルではなく、2ヶ国語でも同じ歳の子に比べてどちらの言葉でも学力が低い場合、セミリンガルやダブルリミテッドと呼ばれます。ひとつの言葉が同年齢の一定レベルに達していないと、学力もついてきません。

英語が得意でも学力はいまいち、英語も日本語も怪しい、そんなバイリンガル教育の失敗例は多く聞きます。完璧なバイリンガルでかつ学力も高いというのは、実はハードルが高いのです。

 

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《海外での仕事と語学力》

英語は得意だけれど、セミリンガルまたは学力がいまいちだと、もちろん受験に不利ですし、就職に不利です。

また、海外での仕事力は仕事力と語学力の掛け算だと言われたりします。

仕事力 × 英語力 = 海外での仕事力

英語力がゼロでもダメですが、仕事力がゼロでもダメです。英語教育をする際には、本人の将来の為に、基本的な教育設計についてよく検討する必要があります。

中高がインターだった場合、日本語の深い読解力が落ちていて日本語の文書がメインの日系企業で苦労するというのもよくある話です。日本語、英語、学力は仕事、人生にも関わる大切なことです。

《母語の重要性》

母親の第一言語が日本語なら、その子の母語は日本語です。日本語を子どもに全く話さずに英語だけで教育したら、その子は母語を失うことになります。

子どもと英語でしか話せないけれど、母親は英語ネイティヴではない場合、お互いの意思疎通が完璧にはできなくなります。親が母語で子どもと深く分かり合えるというのは、それだけでとても価値があるものです。

母語を大切にするのは文化を守ることでもあり、ヨーロッパでは少数言語の保護も重要視されています。

 

《実は少ない英語のネイティヴ人口》

前に別の記事でも触れましたが、世界の英語人口18億人のうちネイティヴは4億人です。ネイティヴ比率は約20%に過ぎません。英語は非ネイティヴが8割 を占めるのです。

グラフをみてみると母語は別にあって、第二言語以降が英語という人が多いのがわかります。

英語人口は多いので、英語が得意になるのは意義があるとしても、母語と同じ程度までは目指す必要がないかもしれません。

前の記事はこちら。
親が苦手でも何歳からでも始められる子ども英語

 

《英語教育とそのバランス》

もちろんバイリンガル教育で成功されている方もいますし、英語教育の全てを否定しません。そもそもこのサイトは欧米流に安く効果的に子ども英語をするためのものです。

ただ、バイリンガル志向になり過ぎて、母語を少なくし過ぎることの弊害や、英語で一貫教育する場合の高額な学費や両立の大変さ、就職までよく検討してから、バランスを決めるのが良いでしょう。

基本的に日本語、たまに英語など、母語を基軸にして英語を混ぜるのが1番学力が落ちずに、英語を得意にできるバランスかもしれません。

 

《語学力は耳から、学力は絵本から》

また語学力は耳からですが、学力は本からと言われます。

学校での言語 :学力 → 絵本

語学力をつける:耳から → 話しかけ、テレビ

バイリンガルにしたいからと、

「学校での勉強は日本語なのに、絵本はたくさん英語で読んでいる、でもテレビは日本語だけ」

というのではチグハグなことになります。

英語と日本語の語学力を付けたいなら、耳から言葉を入れるようにテレビを英語と日本語に、学校での勉強が日本語なら絵本は日本語中心にして、日本語での学力をつけるというのがセオリー通りかもしれません。

《学校が日本語なら、絵本は日本語中心に》

日本語の学校で教育をしていく子には、絵本の読み聞かせを日本語の絵本をメインにすることをおすすめします。

子ども英語をしているからといって、日本語の絵本をあまり読まないと、その子の日本語での学力に影響するかもしれないからです。

小さな頃からの日本語の絵本はその後の日本語での学力に繋がります。

あ、日本語の絵本、読まなくちゃと思った方も多いと思うので、筆者が在外時に参考にしていたクレヨンハウスの絵本リストがあるサイトを紹介しておきます。

こちらは本来、毎月本を購入するシステムですが、年齢別におすすめの本があるのでこちらを参考に図書館などで借りたり 、メルカリで買ったりするのもよいですよ。

クレヨンハウス 絵本コース

《バイリンガルと学力、教育の一貫性まとめ》

・英語を第一言語並みにするバイリンガル教育の難しさ
・英語での一貫教育の高額な学費
・教育の一貫性と学力の問題
・実は多くいるセミリンガル
・語学力だけではなく学力が重要
・海外での仕事力は掛け算
・母語の重要性
・英語教育のバランス
・絵本の重要性

以上、駆け足で説明してきました。

学力もきちんと伸ばせて、かつ、英語も得意になった子は、将来、海外相手に仕事をして、日本を豊かにしてくれることでしょう。

日本は少子高齢化で市場が縮小しても、世界経済は成長しています。英語が得意だという自信はその子が海外に向かう際の大きな武器になると思います。そのためには子どもの語学力だけでなく、学力も十分伸びていけるよう配慮したいですね。

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