留学並み,子供に必要な勉強方法は?学校教育と英語の素地力

公開日:  最終更新日:2018/04/26

前回の記事で学校の英語教育事情、変化をみてきました。

親世代とは違う英語の学校教育事情

(前回の記事より)

【小学校、中学高校の英語教育の質の変化と早期化、素地不足】

学校の英語教育は小学校からに前倒しになって久しいですが、2020年までには中学英語のような教材の英語が小学校からに前倒しになります。よりコミュニケーション重視で丸暗記が効かない英語教育になってきています。

しかし、小学校を始めとした学校の勉強では依然として英語の勉強時間が足りず、読み書きを含めた教科としての英語が始まる頃のは英語が嫌いになる子が増えていきます。そのため、家庭など学校外で英語の準備をする必要がでてきます。

学校だけでは英語の素地(音の英語=水)が足りない。

【幼児、小学生のうち学校外で英語を学んでいる子供は5分の1程度】

ところが、実際に英語を学校外などで学んでいる子供たちは全体の20%程度という調査もあります。学校での英語の時間数の不足は前回の記事で指摘したところですが、家庭では英語は後回しになっているのが現状かもしれません。

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(バンダイ こどもアンケートレポート 2017調査 )

では、学校外での英語の勉強がなぜ必要か違うアプローチで考えてみましょう。

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【言葉を学ぶということ】

まず、みなさんはlearn EnglishLearn about Englishと聞いて、その違いがわかるでしょうか。

 

【Learn とLearn about】

Learn English英語を使えるように学ぶことで、Learn about English英語という言語について学ぶニュアンスです。

小学3,4年生からに前倒しされる外国語活動はLearn English に近く、文法中心の英語は英語という言語を学ぶ、Learn about English に近いものです。

学校で英語を習っても使えるようにならなかったと思う方も多いかもしれません。Learn about Englishとしていくら英語の「言語について」学んでも、「使えるように」英語を学ぶLearn Englishをしなかった場合、ほとんど英語を使えないということが起こりうるわけです。

最近の大学受験を見据えた小中高の英語教育はコミュニケーション重視になっており、Learn Englishも含んでいると言っていいでしょう。文字の英語を学ぶのがLearn about English 、聞いたり話したりする音の英語を学ぶのがLearn Englishのイメージです。

 

【日本語を学ぶと国語を学ぶ】

このLearnとLearn about、日本語ではどうでしょうか。

赤ちゃんから幼児、小学校低学年で家庭や保育園、幼稚園、テレビや絵本などから学ぶ日本語はlearn Japanese、日本語を学ぶ、言葉を吸収するに近いでしょう。

一方で、小学校に入ってから授業で学ぶ国語はlearn about Japanese に近いと言えます。最初に学ぶのが音の日本語、学校で学ぶのが主に文字の日本語になっています。

【音の英語は水、文字英語は氷のようなもの】

まず始めに言葉を家庭や周りから自然に学び、日本語の素地ができてから学校で国語の授業を受け、言語としての日本語を学びます。

この順番は非常に重要です。

 

【移民と言葉の教育】

例えば、6歳で外国から来た移民の子供が小学校の国語の授業に入ってきたとして、簡単について行けると思いますか?

難しそうですよね。おそらく、特別なフォローが必要になります。

周りの日本人の子供がしてきた、日本語を自然に学ぶ期間が抜けているので日本語の素地がないため、国語の授業をいきなり受けてもついていくのが大変になります。移民の転校生は、LearnとLearn aboutを一緒にするため他の子よりも大変になるわけです。

【母語をメインに英語も素地を作る】

再び英語教育に当てはめてみましょう。

日本において、英語は多くの家庭で母語ではありません。そのため、通常、外国語として学ぶことになります。

まず、母親の母語で教育言語である日本語を主として、日本語で一貫教育を前提とすると、学力のためにもしっかり日本語の基礎を作ります。

そして、その上で外国語としての英語も、学校で学ぶ前に、英語を自然に学び、触れていく時間が必要になります。学校で言語を学ぶ前には、その素地が必要だからです。

英語もこの素地=音の英語の学習=Learn Englishが、文字の勉強の前に必要になるのです。

(学ぶ時期には諸説ありますが、小さな子でも周りを見る限り一日2,3時間程度の英語で学力が落ちることはないようです。セミリンガルについては当サイトの別記事をご参照ください。※)

【Learn English(使えるように学ぶ)なら子ども英会話?】

言語としての英語ではなく、使えるように学ぶなら、英会話!と思った方も多いかもしれません。実際、幼児から小学生の子供の英語で英会話教室が一番多い学習法という調査結果もあります。

幼児、小学生の英語の勉強方法

(バンダイ こどもアンケートレポート 2017調査 )

英会話は確かに使えるように学ぶ実践的な方法です。しかしこれには少し問題があります。一般に英語習得に必要と言われている時間は2000時間と言われているのに対し、一般的な英会話のスケジュールで週に1回1時間習っても、2,000時間までに40年かかるのです。

2,000時間/50週=40年

英会話教室、幼児英語教室では足りないのがわかるでしょうか。さらに英会話レッスンはアウトプット気味なのでインプットがないまま行くのは苦手意識の元になりがちです。英会話レッスンは普段の英語の学習のモチベーション維持目的として位置づけるのが良いでしょう。

【小学生までは日本語のように自然に英語を学ぶ】

小学校に入って国語を学ぶまで、赤ちゃんは通常まずは親などから自然に日本語を学び、周りの大人や友達から学び、絵本の読み聞かせや、テレビを見て知らない言葉や言い回しを覚えていきます。

英語は主言語ではないので、英語の幼稚園や習い事に行かなくても、日本語と同じように、家庭で親が少し英語で話し、英語のテレビを一緒に見たり、英語の絵本を少し読むのがよいでしょう。

もちろん親子留学すれば素地になりますが、そこまでしなくても、テレビや話しかけで十分英語の素地力がつくのです。

アメリカやヨーロッパで、英語が母語ではない人は学校だけでなくテレビから学ぶ方法が効果をあげています。その歴史はとても長いものです。

日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由
日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由

【Learn Englishに英語のテレビはいい見本となる】

親の英語での話しかけは英語の素地作りにとてもいい方法ですが、親は英語が苦手な場合もあるでしょう。そんな場合でもテレビは実際に英語を使う方法の聴覚的、視覚的な見本となるため良い教材になります。

見本を見せる、また視覚的というのはイギリスでの外国人の英語教育でも重要視されているところです。プリントなどは後にすると教育方針で明記されています。(※)

英語のテレビは、面白ければ30分もあっという間で時間数が増やしやすく、比較的安くて効果的です。地上波テレビの2ヶ国語放送のみだと若干、心許ないのですが、YouTubeもありますし、BSも月1,000円のケーブルテレビもあります。(※)

ただ、面白いアメリカやイギリスの子どもテレビ番組は、特に幼児期までは時間を増やしやすく効果が高い分、やり過ぎて日本語が危うくなるのも問題なので時間数には注意が必要です。

英語のインプットについて
英語のインプット=単語暗記と思っていませんか。単語とフォニックス
英語のインプット=単語暗記と思っていませんか。単語とフォニックス

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【留学並み。英語のテレビの目安時間と英語の素地力を上げる効果】

このサイトでは何度も目安として出てきていますが、英語のテレビを毎日1時間を目安に朝30分、夕方30分または平日30分、週末は2時間など組み合わせて行けば、年間365時間、6年で2,000時間になります。これは、一般的に1年間留学して、毎日6時間英語に触れた場合と同じ時間数になります。

前に記事にした英語ができる人1,000人調査(※)でも英語のテレビが群を抜いて効果的とされていたように、ネイティヴスピードで時間数が増やしやすい英語のテレビは英語の素地作りに最適です。

内容や台詞を全てを理解する必要はありません。全部わからなくても楽しく観れる番組を探す作業が肝心になります。

【親の話しかけや英語サークルなども合わせて、見本、双方向を意識する】

普段の英語の素地作りはテレビが主となっても、親の話しかけや英語の絵本も、親が英語を楽しんでいる見本になるのでよいでしょう。

また子供の英語のモチベーションのために、英語サークルやイベントに参加するのもよいでしょう。友達が英語を楽しむ姿はいい刺激になりますし、テレビにはない双方向の会話はとてもいい学習になります。

【幼児、小学生に必要な英語の素地力まとめ】

英語に使えるように学ぶLearn Englishと英語を言語として学ぶLearn about Englishは本質が異なります。また、言葉の音と文字は水と氷のように異なるものです。

早いと2018年から今までの中学英語が2年前倒しになり、教科としての英語の勉強が小学5,6年生から始まります。学校で英語嫌いにならないように、小学校や中学で英語を学び始める頃までには英語の素地がある程度できているのが望ましいでしょう。

英語の素地力を上げるために、テレビなどで英語の素地を作る時間を確保していきたいですね。

※記事中で紹介した関連記事

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