2018年から移行 小学校からの英語教育の前倒しと問題点

公開日:  最終更新日:2018/02/28

【現在の小学校での英語教育事情】

2011年から必修化した小学校の英語ですが、基本は週に1回の外国語活動と言われ、英語に親しむためのゲームなどが主となります。成績がつく、スペル、文法などを習う教科としての英語とは異なります。

2016年の小学校5,6年生の英語のうち92.3%が外国語活動として実施され、7.7%が教科としての英語の授業がされています。

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(文部科学省調査平成28年度 英語教育実施状況調査(小学校)の結果

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【前倒しされていく学校の英語教育】

この小学校の英語は、文部科学省の方針により、5年生からだった外国語活動が2020年までに3年生からの前倒しになり3,4年生で45分35コマ、5,6年生から英語が教科になり35が70コマになります。(移行案)

教科としての英語は週に2,3回程度の授業の上、成績評価されることになります。2018年から移行期間になりますが、早い学校では既に前倒ししています。3,4年生の英語に親しむ外国語活動や5,6年生の英語の勉強も、2018年から2020年までには導入されていきます。

 

【小学生から授業で外国人などに親しむ】

主に担任の先生に習う小学生の英語ですが、外国人などの助手が活用されています。

2016年の小学校の5,6年生の英語、外国語活動での外国語指導助手(ALT)を活用する授業比率は60%を超え、また留学生などの活用が13%程度あるなど学校でネイティヴなどの英語に触れる環境が増えています。

(文部科学省調査平成28年度 英語教育実施状況調査(小学校)の結果

 

【以前よりコミュニケーション重視、中学、高校の英語授業】

学習指導要領の改定に伴い、2006年からは大学入試のセンター試験で英語でリスニング導入され、筆記対策のみだった英語指導が大きく変わりました。

2012,2013年などの学習指導要領の改定で中学、高校の英語指導はより能動的でコミュニケーション重視になり、半分以上を英語で行う授業が以前より増え、グループ学習などが増えてきています。英語の授業が先生から日本語で指導される読み書き、文法が中心だった親世代とは異なっています。

(日本語の勉強方法)

まず、比較のために、日本語の一般的な習得の過程を見てみましょう。

 

読み書きの前にその言葉の素地(たっぷりの水)があることが大切です。

昔の英語の試験は文字の英語=氷中心でしたが、今の英語はコミュニケーション重視になってきており、水=音の英語も重視されてきています。

【学校で勉強するから家庭では英語をしなくていい?親世代とは異なる英語教育】

勉強は学校でするから、家庭では宿題をするだけでそれ以外に勉強をしないという考え方もありますよね。今の英語もその考え方で良いのでしょうか。親世代の英語の文法などが中心の筆記試験はそれでいいかもしれませんが、今は中学高校からコミュニケーションが入り、大学受験にはリスニングもあります。

聞く、読む、話す、書く、そしてスピーチするという5技を意識した英語は丸暗記では対処できず計画的な学習が欠かせません。

また、子供英会話教室や英語教室で、単語をワークなどで増やしておけばいいということでもありません。これこそ中高生で勉強すればすぐ追いつけるものです。必要なのはより根本的な英語の習得です。

では、小学生から前倒しになった学校教育だけではなぜ足りないのか、みてみましょう。

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【小学校だけでは足りない英語の時間数】

2020年までに移行予定の小学校の英語時間数は3,4年生からの外国語活動は週に1回45分、5,6年生で週に2,3回です。3,4年生の外国語活動はゲームなどで英語に親しむ時間なのですが、改定後でも2年で50時間程度です。

35コマ×45分×2年=52.5時間

英語習得に必要と言われている時間数が2,000時間なので3%弱です。学校だけではとても英語の素地ができているとはいえないでしょう。その後5,6年生から教科としての英語が始まり、コミュニケーション重視ながら、読み書きなども順次学んでいくことになります。

本格的に英語の読み書きの勉強が始まる前に、英語の素地としてその言葉を聞いたことがある状態にしておくことは英語嫌いにならないために大変重要です。

【小中学生のアンケートからみる学校での英語の素地力不足】

2014年度の文部科学省のアンケートをみてみましょう。

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平成26年度「小学校外国語活動実施状況調査」の結果について

小学6年生までは少なかった英語が嫌いな子が10.9%から中学1年生では18.4%、2年生で27%に上昇します。中学で読み書きが始まった途端に英語に対するモチベーションが下がってしまう傾向をみると、読み書きの英語学習の前に必要な英語の素地力不足による問題であり、学校や家庭などの教育側の対処が必要に思えます。

英語の学校教育では、この外国語活動と教科の英語の繋ぎが問題と言われています。これを水と氷に例えると、学校教育だけでは水が十分にない状態で氷を入れている状態なのです。

【英語の素地不足】

 

現状、学校だけだと、英語の素地(コップの中の水)が足りないので、消化不良になりがちです。

同様の調査で中学一年生に聞く「小学校の外国語活動でもっと学習しておきたかったこと」の上位はどれも読み書きになっています。

(英単語を書くこと83.7%、英語の文を書くこと80.9%、英単語を読むこと80.1%)

中学生になって英語が教科として学ぶものになった時に、力不足を感じての結果でしょうが、この数字を真に受けて小学生から英語の読み書きを教えるのは愚策です。

英語の授業の前に実際に必要な学習は当然読み書きではありません。聞いたことがある言葉なら低い壁のはずの簡単な単語の読み書きが、英語に触れる時間が足りなくてとても高い壁に感じてしまう、素地としての英語の力が不足しているのです。

改定後の小学生の英語の時間数も中学年で年25時間、高学年で50時間程度しかなく、英語は学校の勉強だけでは足りません。英語は学校任せではなく、中学生、できれば小学生から学校外で十分に英語の素地を作る(音の英語=水を貯めておく)ことが重要です。

 

【小学校の英語教育改革と問題点まとめ】

学校の英語教育は小学校からに前倒しになって久しいですが、小学生では外国語活動として英語に親しむものが主でした。

2013年末の方針で、2018年からの移行期間を経て2020年までには中学校から習っていた教科としての英語の学習が小学5,6年生からに前倒しになることになりました。2006年の大学入試のリスニング導入以降、コミュニケーション重視になっており、親世代のように暗記で自力で対策という時代ではありません。

小学校や中学で英語を学び始める頃には英語の素地がある程度できていることが大切になります。しかし、学校での外国語活動などでの英語の素地作りだけでは時間数が足りておらず、勉強が始まると英語嫌いになっていくという問題があります。

次の記事で、具体的に必要な英語の素地力についてさらに検討していきます。これは、真面目に勉強すればすぐに抜かれてしまうような、単純な単語力や会話のフレーズを覚えることではありません。実際、学校外での子供の英語に何が必要なのかみていきましょう。

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留学並み,子供に必要な勉強方法は?学校教育と英語の素地力
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