小学校からの英語教育の前倒しと問題点

公開日:  最終更新日:2019/01/24

【現在の小学校での英語教育事情】

2011年から必修化した小学校の英語ですが、基本は週に1回の外国語活動と言われ、英語に親しむためのゲームなどが主となります。成績がつく、スペル、文法などを習う教科としての英語とは異なります。

2016年の小学校5,6年生の英語のうち92.3%が外国語活動として実施され、7.7%が教科としての英語の授業がされています。

20170830-190523.jpg

(文部科学省調査平成28年度 英語教育実施状況調査(小学校)の結果

 

【前倒しされていく学校の英語教育】

この小学校の英語は、文部科学省の方針により、5年生からだった外国語活動が2020年までに3年生からの前倒しになり3,4年生で45分35コマ、5,6年生から英語が教科になり35が70コマになります。(移行案)

教科としての英語は週に2,3回程度の授業の上、成績評価されることになります。2018年から移行期間になりますが、早い学校では既に前倒ししています。3,4年生の英語に親しむ外国語活動や5,6年生の英語の勉強も、2018年から2020年までには導入されていきます。

 

【小学生から授業で外国人などに親しむ】

主に担任の先生に習う小学生の英語ですが、外国人などの助手が活用されています。

2016年の小学校の5,6年生の英語、外国語活動での外国語指導助手(ALT)を活用する授業比率は60%を超え、また留学生などの活用が13%程度あるなど学校でネイティヴなどの英語に触れる環境が増えています。

(文部科学省調査平成28年度 英語教育実施状況調査(小学校)の結果

 

【以前よりコミュニケーション重視、中学、高校の英語授業】

学習指導要領の改定に伴い、2006年からは大学入試のセンター試験で英語でリスニング導入され、筆記対策のみだった英語指導が大きく変わりました。

2012,2013年などの学習指導要領の改定で中学、高校の英語指導はより能動的でコミュニケーション重視になり、半分以上を英語で行う授業が以前より増え、グループ学習などが増えてきています。英語の授業が先生から日本語で指導される読み書き、文法が中心だった親世代とは異なっています。

昔の英語の試験は文字の英語中心でしたが、今の英語はコミュニケーション重視になってきており、音の英語も重視されてきています。

学校で勉強するから家庭では英語をしなくていい?

勉強は学校でするから、家庭では宿題をするだけでそれ以外に勉強をしないという考え方もありますよね。

今の英語もその考え方で良いのでしょうか。

親世代とは異なる英語教育

親世代の英語の文法などが中心の筆記試験はそれでいいかもしれませんが、今は中学高校からコミュニケーションが入り、大学受験にはリスニングもあります。聞く、読む、話す、書く、そしてスピーチするという5技を意識した英語は丸暗記では対処できず計画的な学習が欠かせません。

また、子供英会話教室や英語教室で、単語をワークなどで増やしておけばいいということでもありません。これこそ中高生で勉強すればすぐ追いつけるものです。

必要なのはより根本的な英語の習得です。

しかし、現状、英語の習得するには学校教育だけではなぜ足りていません。

【小学校だけでは足りない英語の時間数】

2020年までに移行予定の小学校の英語時間数は3,4年生からの外国語活動は週に1回45分、5,6年生で週に2,3回です。3,4年生の外国語活動はゲームなどで英語に親しむ時間なのですが、改定後でも2年で50時間程度です。

35コマ×45分×2年=52.5時間

英語習得に必要な時間

英語習得に必要と言われている時間数が2,000時間なので3%弱です。全く足りないのでこれだけでは英語の素地ができません。

その後5,6年生から教科としての英語が始まり、コミュニケーション重視ながら、読み書きなども順次学んでいくことになります。

【小中学生のアンケートでみる英語の素地力不足】

ここで、2014年度の文部科学省のアンケートをみてみましょう。

20170830-223331.jpg

平成26年度「小学校外国語活動実施状況調査」の結果について

小学6年生までは少なかった英語が嫌いな子が10.9%から中学1年生では18.4%、2年生で27%に上昇します。

中学で読み書きが始まった途端に英語に対するモチベーションが下がっています。

読み書きの英語学習の前に英語の素地力不足が問題であり、根本的な対処が必要に思えます。

 

【英語の素地不足】

英語の学校教育では、この外国語活動と教科の英語の繋ぎが問題と言われています。

これを水と氷に例えると、学校教育だけでは英語の素地という水が十分にない状態で英語の文字という氷を入れている状態です。

現状の学校の英語だけでは、英語の素地(コップの中の水)が足りないので、そこに英語の文字(氷)を入れてもうまく溶けず、消化不良になり、英語嫌いになります。

(※ この言葉を氷と水に例えた考え方は次ページで詳しく紹介します。)

現状の英語教育の繋ぎに本当に必要なもの

同様の調査では中学一年生に聞く「小学校の外国語活動でもっと学習しておきたかったこと」の上位はどれも読み書きになっています。

(英単語を書くこと83.7%、英語の文を書くこと80.9%、英単語を読むこと80.1%)

中学生になって英語が教科として学ぶものになった時に、力不足を感じての結果でしょうが、この数字を真に受けて小学生から英語の読み書きを教えればいいというのは愚策です。

十分な音のインプットで英語の素地作り

英語の授業の前に必要な学習は当然読み書きではありません。

聞いたことがある言葉なら低い壁のはずの簡単な単語の読み書きが、英語に触れる時間が足りなくてとても高い壁に感じてしまっています。

中学生になるまでに足りないものは、英語の素地なので、音を中心とした英語のインプットが必要です。

改定後の小学生の英語の時間数も中学年で年25時間、高学年で50時間程度しかなく、英語は学校の勉強だけでは足りません。

英語の素地作りと政策的な多言語化

英語は学校任せではなく、中学生、できればその前の幼児、小学生から学校外で十分に英語の素地を作る(音の英語=水を貯めておく)ことが重要です。

今、世界各国では学校、家庭に任せず、政策的な多言語化を推進しています。

【小学校の英語教育改革と問題点まとめ】

学校の英語教育は小学校からに前倒しになって久しいですが、小学生では外国語活動として英語に親しむものが主でした。

2013年末の方針で、2018年からの移行期間を経て2020年までには中学校から習っていた教科としての英語の学習が小学5,6年生からに前倒しになることになりました。2006年の大学入試のリスニング導入以降、コミュニケーション重視になっており、親世代のように暗記で自力で対策という時代ではありません。

英語を習得するには、小学校や中学で英語を学び始める頃には英語の素地がある程度できていることが大切になります。

しかし、学校での外国語活動だけでは時間数が足りておらず、勉強が始まると子どもが英語嫌いになっていくという問題があります。

次のページで、必英語の素地と言葉の氷水理論についてさらに検討していきます。

日本の英語教育の一体何が問題で、具体的に何をしたらいいでしょうか外国で成果をあげている例をあげて詳しくみていきます。

次のページ

学校教育と英語の素地力 言葉の氷水理論
留学並み,子供に必要な勉強方法は?学校教育と英語の素地力

スポンサーリンク


関連記事

    PAGE TOP ↑