赤ちゃん幼児からテレビを見せていいの?テレビと絵本と学力の話

公開日:  最終更新日:2018/03/02

《赤ちゃん、幼児にテレビを見せていいの?》

英語のテレビを見せるのが英語力アップの効果もコストも優秀だとおすすめしています。

でも、小さなうちからテレビを見せていいのかと素朴な疑問が湧きますよね。医師会などの子供のテレビの視聴時間はどのくらいが推奨なのでしょうか。

子供のテレビについて医師会等の提言

1日のテレビ視聴時間

(アメリカ)
2才まではゼロ時間

(日本)
2才までは2時間まで

アメリカは2歳まで0、日本は2時間までと差があります。この記事では具体的な提言内容や子供とテレビ、学力の関係について見ていきたいと思います。

まず、一般的に幼児期ではどのくらいテレビを観ているのでしょうか。

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《幼児のテレビ時間の平均》

NHK他の調査だと一般に0歳から6歳までのテレビ視聴時間は平均2時間くらいで推移しています。さらに0歳1歳に限るとテレビに3時間超になります。

参考幼児のテレビ視聴時間2013年NHK調査

結構みんな観ているんだなという印象ですが、テレビがついているだけの時間やゲーム もあるのでトータル時間が長くなってしまうのも仕方ないのでしょう。

家でテレビがついている環境にあるのが一般的なので、未就学児、特に幼稚園前、保育園前の子供は視聴時間が長くなりがちという見方もできます。

6歳までの子供で2時間程度ならテレビ視聴時間としては平均的だと言って良いでしょう。

《2歳未満と2歳以降で大きく異なるテレビとの関係》

《2歳未満のテレビ 小児科学会》

2歳までの子供については、小児学会の調査から4時間超の家庭での言葉の遅れなどの指摘がされています。

参考乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です/日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会

子供にテレビを1人で4時間超などの長時間見せており、親の話しかけが極端に減りネグレクト化(育児放棄化)すれば、言葉が遅くなる面など危惧されるというでしょう。

実際にはちょっと家事をしている時などにテレビを観ていてもらえると助かるので、英語でも日本語でも子供向けのテレビは助かりますよね。

日本の小児科学会などによると2歳未満で2時間まで推奨で4時間となると長いとされています。長時間になっている場合はテレビを消す時間を検討したほうが良さそうです。

子どもとメディアのQ&A
兵庫県小児科医会

《2歳未満とテレビ NHK調査》

NHKの調査なので偏向があるかもしれませんが、2歳未満でもテレビは実際の言葉の発達に大して影響しないという調査もあります。

小児科学会では実際に出てくる言葉や表現についてみていますが、実際に理解している言葉も含めると統計上差があまりなく、言葉の発達自体が遅れているとまでは言えないようです。

とはいえ、こちらの調査でもテレビ環境が2時間以内と比べて、2-3時間の子は出てくる言葉がマイナス7%、3-4時間でさらにマイナス5%と減っています。2歳未満は長時間のテレビ環境にしないほうが無難かもしれません。

テレビ・ビデオ接触の言語発達に与える 影響

 

《2歳未満のテレビ アメリカでの説》

アメリカの調査では2歳までの子にテレビを見せた場合、1時間ごとに17%言葉の遅れがあるという調査があります(※)。この数字は他の調査とだいぶ差があり、テレビ以外の要因も絡んでの結果という見方もできます。そもそもテレビを長時間見せる親にネグレクト傾向があれば言葉が遅れて当然という指摘もされています。

1999年からアメリカの小児科学会では0歳から2歳未満の子供には言葉の発達の遅れを理由にテレビは禁止にすることを推奨しています。

結構大胆な提言ですが、この指摘がされたからといって、アメリカの家庭で2歳未満のテレビ視聴を実際ゼロにしているわけではありません。

アメリカの各種メディアの環境が長時間であるがゆえの警鐘としての提言でしょう。

文献抄録「Media Use by Children Younger Than 2 Years(2歳以下の乳幼児によるメディアの使用)」(米国小児科学会(AAP)の提言)

 

《幼児期以降のテレビ》

《アメリカでのテレビと移民の英語教育、学力》

一方でアメリカは移民の英語教育にテレビを活用してきた歴史があり、特にセサミストリートは高く評価されています。移民の英語のためだけでなく子どもの学力向上に役立ったというのが通説のようです。

幼児期にセサミストリートなどの教育的番組を見ていた子供のその後の調査で、学力や素行に好影響を与えているという結果があります。

children’s learning from television 2005 Television 18/2005

 

《ヨーロッパでのテレビと語学力》

ヨーロッパでの例をみてみましょう。EUでは、多言語の連合体としての特性から言語教育政策は重要事項になっており、多様性を維持しながらも、母語以外に公用語を2ヶ国語習得するのが推奨されるなど、多言語化が進んでいます。

テレビでの多言語化はひとつの指標として重要視されており、外国語のテレビをその言語のまま字幕で見ることで言語の基礎に繋がるという認識があります。概ね吹き替えでなく字幕を好む比率と外国語習得率には相関が見られます。

小学校で習う前から外国語のテレビをみているので、その後の言語教育でも好影響という循環になっています。

テレビで英語は効果的。欧米のTVと英語習得事情

日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由
日本人が知らない欧米人の英語習得率が高い理由

《日本のテレビと学力調査》

日本でのテレビと学力の調査があるので合わせてみてみます。少し成長した小学6年と中学3年の学力調査ですが、テレビ時間が1時間未満の子供が1番学力が高く、1時間以上では長くなるにつれ学力が低下、逆に全く見ない子はテレビ3,4時間の子同程度だったという結果があります。

文部科学省の調査の新聞記事より
「テレビ、短時間なら有効」 文科省が学力テスト分析

この年齢だと塾や習い事もあるのでテレビ時間と勉強時間がトレードオフのためという理由もあるかもしれませんが、テレビを長時間見るのはマイナスだけれど、1時間程度なら逆に学力にはプラスのようです。

《赤ちゃん・幼児期のテレビの影響と効果まとめ》

2歳未満のテレビの長時間視聴は言葉が遅れるリスクがある一方で、幼児期以降のテレビは、外国語習得への好影響や、教育的な番組による学力向上などの効果があるといえるでしょう。

《語学は耳から、学力は本から》

では、少し見方を変えてみましょう。語学は耳から、学力は本からと言われています。そうすると、語学力を付けたい日本語と英語は話しかけやテレビ、学力を付けたい日本語は本ということになります。

テレビだけでなく絵本の学力、語学力についても検討してみます。

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《絵本と学力。ブックスタート》

自治体によっては、赤ちゃんと母親に絵本を渡す『ブックスタート』というものがあります。赤ちゃんに絵本を読みませんかと、無料で絵本セットをくれるものです。

この活動はイギリスで始まったもので、様々な意味があります。

そのうちのひとつが、イギリスで子供のテレビなどの知育が進んで絵本を読まなくなった結果、学力が落ちたので子どもに絵本をもっと読みましょうという背景もあったと聞いています。

《絵本と言葉の発達》

さきほどのアメリカの2歳未満の調査でテレビで落ちるとされた言葉の発達ですが、毎日1冊以上の絵本の読み聞かせでは逆に6%伸びたという結果があります。※

The Thoughtful Animal Sesame Street and Child Development※

また、日本で行われた絵本の読み聞かせと学力の調査で読み聞かせに積極的な家庭の方が学力が高かったという結果があります。

絵本の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす――全国学力・学習状況調査からの示唆
荒木啓史 / 教育社会学・比較教育学

調査でのその差は僅かではありますが、学力をつけるには絵本が効果的なようです。

《日本語の絵本がおすすめ》

普通の家庭では日本語の学校で勉強をしていくことになり、教育言語は日本語をメインにすることになるので、日本語を捨てるつもりでない限り、絵本の読み聞かせは日本語のものを中心にするのがおすすめです。「本=学力=学校教育」の語学の一貫性が保てるためです。

インターに通わせてバイリンガルにするなど、英語も第一言語にするバイリンガル化の場合の教育言語と学力について詳しくはこちらをみてください。

バイリンガルと学力、教育の一貫性、そしてセミリンガルの話

では英語もテレビではなくて、絵本はどうかという意見はどうでしょう。

《英語もテレビなしで絵本ではダメですか?》

アメリカの移民、EUでの言語教育を見れば「テレビが語学力向上に効果的なのは明らか」ですが、これは、動画、テレビは耳から語学をたくさんインプットできるというのが理由でしょう。

親世代には英語もテレビより本のほうが、良さそうに思えるかもしれません。

ただ、基本的に「語学力=耳から」です。

普段、日本語環境にいる子は、聞いたこともない言葉の絵本は聞く体力もなく、難しいものを選べず、読んでも読んでもなかなか英語の総量を増やせません。また、小学校などの学校が日本語の学校の場合、絵本を英語ばかりにしていると「本=学力≠学校教育」となり語学の一貫性がなくなってしまいます。

英語が得意で楽しい、かつ、日本語の学力もしっかりとなると、英語のインプットは耳から、絵本は日本語中心にするのがよいでしょう。

英語のインプット=単語暗記と思っていませんか。単語とフォニックス

《長時間のテレビは避ける》

英語を始めたことでテレビ時間が増えて他の時間が減っても困るので、英語のテレビを見せ始めるには、今のテレビの時間のまま一部を英語のテレビにするのが良いと思います。これならテレビの合計時間は変わりません。

付けっ放しになっている時間を減らしたり、親が見る時間は子供に見せないだけでもだいぶ変わるかもしれません。

《テレビと子供と学力のまとめ》

<子どもとテレビ>
・6歳未満は平均2時間
※2歳未満は4時間超×
・小中学生のテレビ
→短時間なら学力にプラス

<絵本と学力>
・絵本の読み聞かせを積極的に
→学力アップ
・日本語の学校なら
→日本語の絵本の読み聞かせを

<子ども英語>
・絵本のみだと英語量が
・テレビで英語量を増やすのが先

2歳未満の子供に4時間超などのテレビ環境は控えましょう。2歳未満は2時間までが目安です。子どもの学力のためには、赤ちゃん、幼児に絵本は大切です。日本語の学校に進む子は日本語の絵本を読むことで将来の学力に繋がります。

外国語の習得にテレビは効果的です。子ども英語をする場合は、始めからいきなり英語の絵本のみだと英語力がなかなかつかないので、少しずつ英語のテレビを混ぜて、今の日本語のテレビの時間の一部を英語にしていくのがおすすめです。

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